*°春夏タチバナ*°
「戻りたいよぉ…」
夏のあの時のことを思い出して
そう呟くと同時に涙が溢れてきた
急に泣き出した私に驚いた夏那ちゃん
「ど、どうしたの?
私なにかしちゃったかな?ごめんっ…」
「うっ…夏那ちゃんのせいじゃないよ…
戻りたいよぉ…うっ……」
夏のあの楽しかった頃に戻りたい
ずっとずっと思ってても考えないようにしてたこと
考えたらきっと進めない
今はこの状況をどうにかしなくちゃいけないって、そう思ってるから
でももう、きついよ…
「と、とりあえず…保健室行く?」
「ううんっ……
だ、大丈夫だよ…うっ…」
泣きやめ自分…
どれだけそう言い聞かせても涙は次から次に出てくる
どうしたらいい??
夏那ちゃんは困ったようにまゆを下げて
私の肩を抱いた