*°春夏タチバナ*°




春翔くんについて屋上に来た






来る時終始、夏那ちゃんと春翔くんが私を泣かせているみたいな目でみんなが見ていてすごく申し訳ない






屋上に上がると心地いい風が涙で濡れている頬を冷たくする











「んで、なにがあった?」











着くなり春翔くんはそう聞いてきた




一応疑問形の形をとっているけど、秋くん絡みだというのは分かっているのだろう






だったら言った方がいいよね?





本当迷惑かけてばかりで申し訳ない…











「夏に、秋くんと帰りにアイス食べたの
その時、冬に肉まんとか食べるの夢だって話したら…今年叶えようって言ってくれて…」





「あいつがそんなこと…」





「夏那ちゃんが放課後の誘いしてくれて思い出しちゃって…なんでか涙が出てきちゃった…」











私はそういうと、また涙が溢れてきた











「あいつがそんな事言うとはな
あんまり遊びたがらないやつだから、放課後アイス食べたのも、そんな約束したのも意外だ」











春翔くんはそう言うと微笑む



でも、そんな事言っても話せないのは事実

ただの気まぐれだったんだよね…











「頑張るって決めたのに…泣いちゃうなんて…
もう、話せないのかなぁ…?」











弱い自分




恋をすると自分がこんなに弱くて
嫉妬しちゃって




こんなことになるなんて思わなかった








夏那ちゃんは黙って私を見て背中をさすってくれて





春翔くんは困ったような顔











「じゃあ少し希望を与えてやろうか?」





「希望??」











春翔くんが発したその言葉にハテナマークでいっぱいになった






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