*°春夏タチバナ*°
【夏那side】
屋上で冬羽が泣いて話してくれたこと
きっとすごく辛いと思う
だから、それを聞いて私は秋くんとお話をしようと思った
あれだけ真剣に好きな冬羽さえも話せないのか…
なんでそんなに徹底しているのか…
なのになんで優しさをくれるのか…
疑問がいっぱいあってどれから聞いていいかわからないけど、聞こう
そう決めてみんなが居なくなってきた放課後、秋くんの机のところに立った
「どうしたの?」
私が目の前に現れて立とうとしていた秋くんは驚いたように私に問いかける
春翔には先に帰ってもらったし
冬羽は今日じゃなくて明日行こうって約束してから先に帰ってもらった
つまり!!!
2人でゆっくり話せるのです
「聞きたいことがあって…」
「あんまりいいことじゃなさそうだけど、なに??」
雰囲気から何かを察したのか、秋くんは苦笑いになる
こうしてみるとやっぱり整った顔してる
そして優しい声に、柔らかい物腰
冬羽が惚れるだけのことはあると思う