石田先生、忍者になるの巻
ごぼうを器用にささがきしながら。それもかなり細かく、もしかしたら刃物を扱う才能が__。
「ピーラーて便利だよね」
「…とにかく入りますから、見てて下さいよ」
と、池に足を__。
「うわっ‼︎なんだこれ⁉︎」
黒かった沼が、急に白く濁っているではないか‼︎さては妖術にかかったか…。
「忍法、あく抜きの術‼︎」
「ただアクを抜いただけじゃないですか‼︎」
「ふふ、これでお主も入れないだろう」
「もう、やりたいって言ったの先生じゃないですか」
「ごめんごめん。違うの教えて」
「何がいいです?」
「火遁がいいな、派手そう。西部警察みたいで」
「西部警察が何か分かりませんが、火遁は危険なんです」
「ええー‼︎火遁がいい!火遁火遁火遁‼︎」
「ダダこねないで下さいよ。じゃ、変わり身の術はどうですか?」
「えー、地味ー」
「それが景色と同化するんで、これがなかなか感動ものなんですよ」
「んー、そこまで言うならいいよ」
「ありがとうございます‼︎って、なんかおかしい気もするけど、じゃ、いきましょうか」
「あ、待って」
そう言うと、先生は握っていた長いごぼうを__池から少し出ている竹筒に、思いっきり差し込んだ。
こうして池から、潜んでいた忍びが発見された。
ニンニン。