石田先生、忍者になるの巻
死ぬまでに言いたい10のことの巻
私は忍び。忍び偲ばれ弄ぶ。花弁に蜜を垂らせば、手に入らないものはない。古来の巻物でさえ、私の手にかかれば容易いもの。花魁姿を脱ぎ去れば、一糸纏わぬ肌がある。さぁ、舌を這わせなさいな。言葉が出ぬよう、この手刀で__え?どこに隠し持っていたかって?くノ一の懐には、夢がある。溺れたかったらこちらにおいで。幸せだろう?甘い蜜で溺れ死ぬなんて__。
「先生、折り入って相談したい事が__」
「金ならないよ。選挙法違反でかなり罰金払ったからね」
「生々しいですね。違いますよ」
「あ、わかった。好きな子の相談だ」
「えっ、どうして分かったんですか?」
「忍法、テレパシーの術」
「なんか、ごっちゃになってますけど。実は、幼馴染というか、なんていうか…」
「昔から一緒に居て、いつも隣に居るのが普通だったのに、お互い意識しちゃって喧嘩もして、でも気になるアンニュイな存在の幼馴染だね。よくあるパターンのやつだけど、心配ないよ。大抵くっつくから」
「いや、でも忍びの世界は違うんです。彼女はくノ一でもトップクラスで、実はある作戦のために敵のアジトに潜入してるんです。自らの体と引き換えに…」
「で、塚田クン的にはどうしたいわけ?」
「いくら忍びの掟とはいえ、彼女には幸せになってもらいたいんです」
「じゃ、彼女を助けに行こうじゃないか」
「先生…」
「落雁三枚ね」
「…」