石田先生、忍者になるの巻
ここはお城の屋根裏部屋。
天井の隙間から見えるは、幼馴染のくノ一、おりん。
お代官様にしな垂れかかり、色香を振り撒く。彼女に与えられた任務は、巻物を頂戴すること。その為なら、身を崩しても構わない。もし手に入れば彼女は、1人前のくノ一となる。
「あれか、黄門様でお風呂に入る年増の女優」
「彼女はまだ10代です」
「あの隣にいるのは?お代官様ときたら…」
先生の問いかけに応えるように、お代官が言った。
「越後屋、お主も悪よのぅ」と。
「うわぁ、生お主も悪よのぅ、だ。てかさ、越後屋って今の時代で言うと何になる?」
「そうですね…便利屋みたいなものですかね?」
「リサイクルショップだな」
自ら答えて納得顏の先生。
「あ、これ釣り、要らないから」
「なんですか急に」
「いや、越後屋のセリフじゃないけど、死ぬまでに言いたいことってなくない?」
「お釣り、ですか?」
「あと、お医者様はいらっしゃいませんか⁉︎」
「かなりピンポイントですけど」
「他にはそうだな…一括で、とか」
「いつもリボ払いなんですね」
呆れて返し、おりんの様子をうかがう。
今に着物の帯をクルクルされるんじゃないかと、気が気じゃない。
「あ、そうそう」
そんなことはお構いなしな先生。
「こないだ宝くじ買ったら3億当たってたんだよね」
「マジですか‼︎」
思わず声を上げてしまった‼︎
「曲者‼︎」