石田先生、忍者になるの巻
「塚田クン‼︎」
「先生、忍術を‼︎」
「いやいや、ろくに教えてもらってませんけど?」
「先生なら出来る‼︎先生はもう、立派な忍びです‼︎」
敵に腕を取られながらも、ボクは叫んだ。
こうしてる間にも、夢と希望に溢れた忍者村が朽ちようとしている。
「先生、早く‼︎」
「よ、ようし‼︎いくぞー‼︎」
と、先生は手を合わせ、人差し指を真っ直ぐ天に向けた。
「忍法、お前の母さんは実は、お前の生みの親ではないのではないか?飲み屋で酔っ払って、そんなことを漏らしていたのを俺は確かに聞いた。あの子に申し訳ないことをした、取り返しのつかないことをしたって、涙ながらに語っていたの術ー‼︎」
思い当たる節があるのか、動揺した忍びのケツに、そのまま人差し指を突っ込んだ。
ただのカンチョー。
しかし効果はてき面。
ボクたちは隙をついて逃げ出したが、この戦火を沈めることは到底できない__。
「塚田クン、マイクをくれ‼︎」
「マイクですか?」
「そして音量をMAXにするんだ‼︎」
「わ、わかりました」
先生の気迫におされ、マイクを繋いで最大限に。
キーン‼︎
耳をつんざくエコーが、全ての忍びの動きを止めた。
先生はニヤリと笑うと、静かにマイクに口づけをする。
次の瞬間__。