石田先生、忍者になるの巻
「これ持って下さい、音響の機材」
「てか重いよ。台車とかないの?腰を痛めてしまう」
「これも日々の鍛錬の一つです‼︎」
「そうやって頑張った結果、ぎっくり腰になったらどうすんの?俺、ヘルニア持ちかもしれないよ?それ塚田くん、わかってる?そしたらもう忍者どころじゃないよね?夢とか打ち砕いちゃうよね、粉々に」
「…じゃ、そのマイク持ってきて下さい」
「忍者がマイクねぇ。あ、俺ね、こう見えてもボイパ得意なの、ボイパ」
「なんですか?それ」
「塚田くん、忍者のくせにボイパも知らないの?ボイスパーカッションだよ。パモネプにも出たことあんの。そりゃもう本格的で、審査員のちんく♂からも大絶賛でさ。良かったらここで披露しようじゃないか」
「結構ですから、そこに置いて下さい」
「ノリ悪いよ。君、若いんだからもっとこう、若さを謳歌しないと」
「そんな暇はありません。早く準備しないと」
「てかさ、忍者屋敷とか忍者ショーやってるけど、君たちホントに忍者なわけ?もっとこう、城に攻め入るとか、バババンって派手な術とか普通あるでしょ?」
「これを隠れ蓑にしてるんですよ。敵はいつ狙ってくるか分かりません。今、こうしている間にもボクらを狙っているかも」
「どーでもいいけど、手裏剣の投げ方教えてよ」
「…」