秋麗パラドックス






私と”彼”、…徹と別れた次の日。

私は徹に呼び出された。
『やっぱり、納得がいかない』と。

あの日、私は、徹の言葉を遮って、自分だけ言いたいことを言った。

だから、徹がどう言おうとしたのかは分からなかったけれど、聞きたくなかった。



だから、私はスルーし続けた。
『話すことなんて、何もない』と。
そう言って。


そして次の日には、『徹!』と馴れ馴れしく徹を呼ぶ、萩原さんの姿があって。

そしていつの間にか、八神 徹の彼女は、萩原 優里と言う方程式が成り立っていたのだ。
そして私は、恋人を奪われた女として認知されることになった。



別に、他人からどう思われようとどうでもよかった。

…そんなことを気にしたって、彼と一緒にいた日々に戻れるなんてことはないのだから。
事実として、そうだから。






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