endless鬼ごっこ
日常
「知ってる?1組の池田さん、エンドレス鬼ごっこしてるんだって!」
昨日から学校に行くと教室中で変な噂がいたるところでされていた
エンドレス鬼ごっこ、私の高校にある怪談の事だ
エンドレス鬼ごっことは夢の中で鬼ごっこをさせられて、6本のロウソクを消さない限り一生眠ったまんまになるなんて話だ
と言ってもその話は曖昧で、学校にある銅像が瞬きをしているのを見てまったり、トイレでかくれんぼをしたり、北校舎のお化けを見てしまうとエンドレス鬼ごっこの夢を見る、などとたくさんの噂があり誰も信じてる人はいない
「馬鹿馬鹿しい、どーせ嘘に決まってんだろ?」
靴を下駄箱に入れ廊下を歩いている途中で噂について話している誰かがつぶやいている声が聴こえた
ほらね?信じる人なんて誰もいない。
そう思いながら教室に着いた私は机に鞄を掛け席についた
すると後から来たしずくが少し涙目で私の肩を叩いてきた
「いちか~、聞いた?1組の子がエンドレス鬼ごっこしてるんだってぇ〜」
しずくは小学校からの仲良しでこの子の事なら良く知っているつもりではある
霊感?と言うより想像力が高くて、そのせいでホラーやオカルトが大の苦手な子なのだ
「んなのどーせ嘘だろ?」
フッと鼻で笑いながら話に割って入って来たのは、斜め前の席の大西晴斗、晴斗とは家が隣で小さい頃からよく遊んでいた幼なじみの男友達である。
晴斗は怪談とかそうゆうのは信じないタイプなんだろう、椅子を逆に座りながら足をプラプラと揺らしてこっちを見ている
「晴斗の言う通りだよ!だってエンドレス鬼ごっこってたしか6箇所にあるロウソクを同時に吹き消さなきゃ目が覚め無いんでしょ?そんなの1人じゃできるわけないし、きっと注目されたいだけなんじゃないかなっ」
そう言いながら私はしずくにニコッと笑いかけた
きっとしずくはいつも朝一緒に登校している友達から「しずくもエンドレス鬼ごっこさせられるかもよ〜?」なんて脅されたのだろう。
するとしずくは涙の溜まった目をこすりながら
「そーなのかなー?でも、本当にあったら私、なんにもできないよぉ〜」
なんて悲しげにそう言うと自分の席へと向って歩いて行った
同時に教室の前のドアがガラッとあいて先生が入って来た
ざわついていたクラス中の生徒が一斉に席に付きだし、後ろを向いていた晴斗もくるりと前を向く
本当にあんな話があったら、なんて事あるわけ無いじゃない、なんて心の中で呟きながら笑っていると、いつの間にか朝のホームルームが始まっていた