何度だって咲かせよう(仮)

そこになんともタイミングよく司と京香が入ってくる。芽依子はこの二人の登場に心から感謝していた。目立つことが好きではない芽依子にとって、この状況は苦痛以外の何物でもなかったのである。

「二人ともおはよー!あ、いつも遅い悠馬がいるの珍しい!」

「お、おはよう…京香ぁ…」

「?芽依子どうしたの?」

「俺たち、付き合い始めたから」

脈絡のない悠馬の言葉。一瞬二人は理解できなかったが、学校には入ってからの異様な空気と悠馬の言葉で全てが理解できた。

「芽依子!おめでとう!!!」

そう言って抱きつく京香を受け止めて「ありがとう」と芽依子は微笑んだ。

「悠馬やるな〜!でも学校一の美女と付き合うなんてお前も大変だな!」

「だからこうして牽制してんの。芽依子、鈍いし」

「桜田くんも大変だね〜」

芽依子を抜きにして進んでいく会話。「なんの話?」とみんなに聞くも芽依子は知らなくていいと返される。全く納得していない芽依子の反論を遮るように京香は提案する。

「ねえ!今日の放課後ダブルデートしようよ!」



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