何度だって咲かせよう(仮)
「あれ、めいちゃん?」
突然声がかけられる。見たこともない、自分と同じくらいの年の男の子。おそらくイケメンの部類に入るだろう。
「えっと、どちらさまですか?」
「あー、わかんないか〜」
彼は不敵そうな笑みを浮かべそう言う。
「ま、今はわかんなくてもまたそのうち会うよ」
芽依子の頭にハテナが浮かぶ中、後ろから抱きしめられる。
「おい、ナンパならよそあたれ」
好きな人の不機嫌声が聞こえた。
「ナンパじゃないから安心してよ、ゆうくん。俺も向こうに連れ待たせてるから。またね、めいちゃん」
「チッ…芽依子、変なことされてないか?」
「うん、大丈夫だよ。ただ話しただけだから」
「…そっか。あんまり心配かけんな」
悠馬は芽依子の頭をポンポンとした。ふと見ると、不安気な顔をしている。
「悠馬くん、ごめんね。でも、ありがとう」
「おう。じゃ、芽依子の大好きなオレンジジュース飲んだら動こうぜ」
「あ、またそうやってイジるんだ〜」
芽依子はまた口を尖らした。