何度だって咲かせよう(仮)
「当日はさ、別々にお昼過ごそっか」
「そうだね、チョコレートもはやく渡したいもんね」
「司、どんな反応するかな〜?」
「よろこんでくれるよ、きっと。でも丁寧にあげないとね」
フフッと笑いながら言う芽依子に対し、京香は「そ、そんなの当たり前だよ!」と言った。
芽依子はこういう話も京香とできるようになって、よかったと感じていた。以前京香にそう言われたときは何も感じなかったが、悠馬と少しずつ距離が近づき慣れてきたからか、自分のことを話せるようになった。女子同士の恋バナというのはなぜか互いの距離を縮めさせる。
それに、そういったことは聞く専門で、話す側の京香にもしかしたら気をつかわせていたのかもしれないと思ったのだ。まあ、京香はただ単に芽依子の恋バナを聞きたかっただけなんだろうが。
「あ!芽依子、ラッピングって買った?」
「あ、忘れてた」
「じゃあ、明日芽依子の家行く前に買っていこうよ!」
「わかった。京香はどんなのにするか決めてる?」
「もちろん、派手めなやつ!どんなものからも一番目立つようにね!」
その言葉から京香の気合いを感じる。悠馬との会話でもバレンタインを楽しみにしているのがわかるから、自分も気合いを入れないとなと思った。