何度だって咲かせよう(仮)
「芽依子、ちょっと膝貸して」
ブラウニーを食べ終えた悠馬は、そう言って芽依子の膝に頭を乗せた。
「は、え、ちょっと」
慌てる芽依子に対し、悠馬は目を閉じている。今日は普段より疲れているように見えた。
(バイト、大変だよね…それなのに毎朝迎えに来てくれて…)
幸いここは日向だが寒そうだなと思い、持ってきたブランケットを悠馬にかける。
芽依子はそっと悠馬の髪を撫でた。ストレートで痛みもない、サラサラな髪。すると、額に何か傷があるのが見えた。気づかれないように前髪を退かしそれを見る。縫い跡らしい。よく見ないとわからないので、昔のものだろう。すると芽依子の頭がズキズキと痛み出した。そしてそのまま意識を失った。