何度だって咲かせよう(仮)
*
(ま、間に合った…)
ゼイゼイと息を切らしながら自席に着く。
あれからふと時計を見ると相当時間が経っていて、走らないと遅刻決定だった。
ダッシュで教室に滑り込み、身支度を整える。
「おはよ〜。芽依子、寝坊?」
「お、はよ。ちょっと、アクシデント…」
「ふーん。あ!今日ね、うちのクラスに転校生がくるんだって!しかもめっちゃイケメンらしいよ!!!」
目をキラキラさせてこういうのは芽依子の親友、三浦京香である。
「あんまり興味ないや」
「芽依子っていっつもそう!華のJKなんだから、もっと恋愛に積極的になりなよ〜!誰か紹介する?!」
めんどくさい展開になりそうだな〜なんて思っていると、タイミングよくチャイムがなった。
「ほら京香。席着かないと」
「そうやって逃げるんだから〜」
まだ何か言ってる京香を無理矢理席に着かせる。
(そういえば、今朝のあの人もイケメンだった…ってイヤイヤ何考えてるのよ!!)
芽依子が必死でブンブン頭を振って火照る顔を静めていると、担任が入ってきた。
「えっと、今日からこのクラスに新しいクラスメートが加わるぞ〜」
そう言って手招きして入ってきたのは、今朝のあの人だった。