何度だって咲かせよう(仮)


「これ…」

放課後になり、司からもらったメモを開いた芽依子は衝撃を受けた。
なんとそこに書かれていた地図は芽依子の家のごく近いところだったのだ。
だが悠馬は以前、芽依子の最寄りの隣駅に住んでいると言っていた。

(なんで嘘なんて…)

また一つ疑問が積もる。しかし芽依子は頭をブンブンと振った。

(いやいや、なんか理由があるんだ。考えすぎるのはよくない)


それからコンビニでゼリーやエネルギー飲料、スポーツドリンクを買い、悠馬の家に向かった。近所だったこともあり、特に迷わず着いた。

悠馬の家はアパートの二階だった。ドアの前に立つと変な緊張が芽衣子を襲う。
チャイムを鳴らすだけ、と言い聞かせ一度深呼吸をする。だからと言って、緊張がなくなるわけではないが。

芽依子がドアの前で緊張と戦っていると突然ガタガタと中から音がしてきた。

えっ、と思ったときにはもう遅くドアが開き、悠馬が出てきたのだった。

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