幽霊の影
幽霊の自殺
午後のワイドショーが「幽霊」の自殺について報じていた。



自宅アパートで睡眠薬を大量に飲んで死んでいた事、机の上には短い遺書が遺されていた事がアナウンサーによって伝えられ

それから近隣住民へのインタビューや学生時代の卒業アルバム・文集が、何もそこまでと思うほど、かなり時間を割いて詳しく紹介されていった。



幽霊――もちろん、あだ名である。


最初は本人のいない所だけで、そうとは知られないように呼んでいたが、後に本人の前であろうと構わず、彼女の事をそう言い表すようになった。


始まりは小学4年の時であったか。


それが小学校卒業後も続き、中学2年のクラス替えで廊下のこちら側と向こう側とにクラスが離れてしまってからの事は知らない。


もう20年も前の話だ。



――へぇー、死んだんだ。
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