オニゴロシ


そんなことを考えていると、ボケッとしていたらしい。

龍に、軽く頭を小突かれた。


「ボケッとしてると転けるぞ‥‥羅ヶ瀬は、ただでさえ、何もないとこでも、転けんだから‥‥‥」


と、かなり失礼なことをいっている。


「なっ?! 何もないとこでなんか転けないよっ!!」


私がそう言うと、拓海は笑いながらこう言った。


「よく言うなー。今日だって、廊下を歩いてて、何もないとこで躓いてたじゃねーか!」


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