下剋上しまーす!
「「「「うおおおおおおおおお!!!!」」」」
野太い声が響いたかと思うと、散らばっていた男子達が一斉にぶつかり始める。
ドゴッ
かっこいいー♡
ボキッ
キャー♡
醜い音と高い高音がが響く、グラウンド。
そんな様子をパーカーのフードを深く被り、競技線ギリギリのところに立ち、傍観する莉茉こと蒼竜。
「うぅわぁ…。
派手にやるなぁ。
なんで、そこまで頑張るかな?
そりゃ、賞金は欲しいけどわざわざ戦いに挑む必要あるかな?
理解できない…」
優兄から借りた制服のズボンのポケットに手を突っ込みながら、あくびする。
「ふぁーぁあ!」
「随分と余裕そうだな」
苦笑しながら、こちらを見る雷翔。
雷翔もまた、派手な戦場を傍観していた。
「ん?あぁ、雷翔さんじゃないですか。
暇なんだから、仕方ないでしょ?
そっちも同じ考えでしょ?
今は、バカな連中がモテたいだけでやってるだけでしょ?
時期に強い連中が残って真面目にやり始めるでしょ」
「まぁな」