下剋上しまーす!


「冗談…だよね?」


「ん?聞こえなかったぁ!」


「と、とりあえず、俺の発言は冗談にしとくよ!


白薔君?
さっきのスマホの写真、消してもらってもいいかな?」


「……、嫌だって言ったらどうすんだよ?」


「そうだなぁ。

莉茉に手を汚させたくないから…俺がなぁ…何するか分からないなー?」


その低音ボイスと殺気に体を震わせる風磨。


「け、消すよ

消せばいいんだろ!!


だったら、スマホ返せよ!
あと、腕も解放しろよ!!」


「下手な真似したら、ゆるさねぇぞ?」


スマホを返され、片腕で操作する風磨がボソリとつぶやく。


「別に。

今更ねー、だってさー、

喧嘩大会終わっちまったしー?

蒼水蓮には族を解散させられたしー?

もう、別にこの生活に飽き飽きしてたんだよなー!」


ニヤリと笑ったかと思うと、莉茉が押さえていた腕をバッと振り払う。


それを見て一瞬春希の緩んだ足を見逃さず、安友先輩も逃げ出す。


「!!!」


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