微笑んだ先に咲く花





虐待されてもそれでも父親には変わりなく。母が1度でも愛した人なら、私も大好きだった


母を殴る父は嫌いだったけど、母が父から離れなかったのには理由があるんだと我慢した



でも…結局母は亡くなり、父は逮捕されて。家族を引き裂いたのは私


「空は自分が私を守るんだと言って少しの間一緒に暮らしてくれました



学校も休んで、私のやりたいことを一緒にしてくれた。本当に嬉しかった

でも同時に辛かった



私のせいで空に迷惑をかけることが


だから嘘をつきました」



本当はあの日親戚と会う予定なんかなかった
親戚にはもう1人で生きていってくれと頼まれていたから


そんな中で空だけは私を見捨てなかった

でも気づいてた



「空は家に帰りたいって思ってました


きっと何か事情があったんでしょうけど、いつも気がつくと学生証のところに入れてある家族写真を見てました


ああ、私が空の前からいなくなれば空を自由にしてあげられるのに


そう思った私は自然と嘘が口からでていました」



空はきっと私を負担だなんて思ってなかった
それでも私のせいで辛そうな空を見たくなかった


だから、幼かった私ができる唯一のことだった




「空を残して家をでて、夜に帰りました

案の定、空は荷物ごと消えてました
これで良かったんだとホッとしました

その安心と引き換えに私は絶望と孤独に包まれました


それでも良かったですよ
どこかで空は生きていて、夢を追いかけてて、好きな人と付き合って、結婚して…って思ったら…」



そこまで言って自分の視界がボヤけてることに気づいてしまった


涙が出そうになってる…


やっぱり辛い
あの時のことも。それよりも…



















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