微笑んだ先に咲く花
「空、起きて」
軽く揺すると微かに目を開けた
「…しん…」
「空、ただいま」
目線を合わせてそっと笑う
「…!!慎!!」
私を見た瞬間目を見開いていきなり抱きしめてきた
その体はやっぱり冷たくて
ここで待っていてくれたんだなと申し訳なくなる
空の背中に腕をまわす
「慎…慎…ごめん」
「空は悪くないよ?」
バレないように息を吸うと明さんとは違う安心するけどキュンとする匂いがした
「やっぱり空が好き…」
「俺も、俺も慎が好き…」
体を離そうとするともっと力を込めて私を抱きしめる
「どれくらい待ってたの?」
「…別れてから」
「ずっと?」
「ずっと」
肩から顔をあげないままの空はちょっと可愛い
「ダメだよ…こんなに冷たい」
「慎がいないと…ダメだから」
「部屋に行こ?」
肩の辺りが少し揺れる