微笑んだ先に咲く花
「若、紅くなってる理由は何です」
空が真顔で田中くんに聞いている
「あ、いや、うん…ははっ…」
田中くんが誤魔化して笑ってる
「で、慎ちゃんの質問の答えね!
あのね、次期組長って意外と危ないから本名はそんな簡単に教えれないの。だから偽名で、田中」
そう言ってヘラヘラ笑う田中くん
「じゃあ、田中くんじゃダメだね。弘は本名?」
「そうだけど…?」
「田中くんと仲良くなりたいから本名で呼びたい、から弘くんって呼んでいい?」
今日からだけど、私の友達だもん
田中くんなんて他人行儀いやだよね
「…いい。嬉しい、そう呼んでくれると」
驚いてるような不思議そうな顔で、それでもなんだか嬉しそう
「じゃあ弘くん」
「慎ちゃん!」
「若は簡単ですね。俺も弘くんって呼びましょうか?」
面白そうに新庄さんが言う
「や、やめろよ!お前はダメだ!」
「恥ずかしがらないでくださいよ弘くん」
やっぱり新庄さん怖いな…
「…じゃなくて、なんで空と慎ちゃんが付き合ってんだよ!」
「「「……………………。」」」
「なんで3人が黙るんだよ!!」
何故か私と空と新庄さんが黙った
誰か説明するかと思ったのに…
「…昔家が隣でよく遊んだんだ」
面倒くさそうに空が言うと向こう側の弘くんと廣瀬くんが目を見開いた
「は…!?じゃあ何歳…7歳差か!?おい空!!お前…いくつの時知り合ったんだよ??」
弘くんが立ち上がっていう
「出会ったのは俺が16で慎が9歳です」
「…やべぇな、空がロリコンだったとは」
今度は突然落ち込み始めた
というかロリコン…
「若、俺はロリコンじゃありません」
隣からため息が聞こえる
「じゃあなんで9歳なんて!」
「たまたま好きになったらまだ9歳だっただけですよ。慎が20でも変わりませんでしたよ」
「うわ…イケメン…」
声が漏れたのは廣瀬くんだった
「空!お前イケメンで言うこともイケメンとかどうなってんだよ!!」
確かに私も嬉しかった
「はいはい、早く若もいい人見つけてくださいね。」
空はビールをもう一本開けて飲んでいる
顔が紅いのはお酒のせいか…なんだろうね。