微笑んだ先に咲く花
「もう…もう離れたくない!!
お兄ちゃんと一緒に家に帰りたい!
ダメなの?できない?」
縋るような思いで目を見る
「…もうあそこには戻れないんだ。お兄ちゃんはここで暮らしていかなきゃ」
「…一緒にいたい。
もう1人はヤダよ…お兄ちゃんと…一緒に暮らしたい…」
それは本心だった
私が10歳の頃、ある出来事がきっかけで家族3人はバラバラになり、私は1人今の家に残された
私のせいで家族はバラバラになった。
それでも隣にはお兄ちゃんがいた
7歳も年上の大好きお兄ちゃん
お兄ちゃんがいたから頑張れた。
学校でどんなにイジメられようと、悲しくてもお兄ちゃんを見ると笑顔になれた
でも、ある日私に何も言わずにお兄ちゃんもいなくなった
それから今日まで私は1人
たった1人で生きてきた
孤独に慣れ、人の温もりさえも忘れた
それでも、それでもお兄ちゃんに会いたい。その気持ちだけで今日まで生きてきた
そしてやっと。やっと会えた。
私の大好きな人