微笑んだ先に咲く花





親父さ、末期の癌だった


俺が知った時にはもう1ヶ月だって言われたよ




それで心配して行ったら

跡を継いでほしいってまた言われたんだ


俺は親父のために帰ったのに
親父は仕事しか見てなかった


辛かったよ

でもそれと同時に悔しかった
命よりも息子よりも楽しい仕事なのかよって。

だから…しーちゃんに何も言わずに親父の仕事継ぐために帰ってきた。



ごめんね」


申し訳なさそうに言うお兄ちゃんの手を私は精一杯握った



「それで、今はこうしてここで親父の跡継いでる

…ヤクザやってるんだ」



全部を話し終えたのかお兄ちゃんは複雑そうな顔で私の言葉を待っていた


そんな顔…








「そんな顔しないで…


職業なんかで何にも変わらない

ただお兄ちゃんに会いたかった…」



そう言うと
私の大好きな優しい笑顔が返ってきた

















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