微笑んだ先に咲く花
「家どこなの?」
夕食後有さんが本当に家まで送ってくれるようで…
今車の中で2人。
非常に気まづいです
「お前さ、「慎です」…慎は、空さんとどんな関係な訳?」
静かな車の中に有さんの声が響いた
「どんな…昔隣に住んでて、その時仲良くしてもらったんです」
「だとしたら何であんなに慎に執着してんだよ」
「執着なんて、してないですよ」
「してる。どんだけあの人の下にいたと思ってる。それくらい分かる」
この人に何を言ってもだめだと思った
「昔…私父親から虐待されてて。母親は全力で私を守ろうとしてくれてました
そんな時に隣にお兄ちゃんが引っ越してきました
最初はただのお隣さんで…でも気づいてくれたんです。虐待に。
それからは母親がいない時にも私を守ってくれました。
殴られた後には手当てをして、大丈夫って手を握ってくれました
まだ10歳でした。そんな私を多分お兄ちゃんは悲しい子だって思ったんですよ…
同情で一緒にいるんです。優しいから」