微笑んだ先に咲く花
「そっか。でも慎はお兄ちゃんとしてじゃないだろ」
…なんでこの人は…
「なんでそんなこと言うんですか…」
「図星なんだろ?わかるよ」
「まぁ…振られましたけど…今日はっきりと……」
有さんとの沈黙が嫌で窓の外を見た
そこはあのネオン街で、少しその光に安心していると見てはいけないものを見た
「慎?なんだよ…聞いて悪かっ…
…空さん…」
信号で止まった有さんが私の見ている方を見た
そこは私の安心するネオン街
その中心ではキスをする綺麗なお姉さんとお兄ちゃんがいた
それを見た時私の時間は止まった
車は走り出す
その時、お兄ちゃんと目が合った気がした
「慎…大丈夫か?」
さっきまでの強気な言葉とは裏腹に有さんの声は優しかった
そんな有さんに大丈夫ですよ?
そう笑顔で言ったけど、ちゃんと笑えてたかな