微笑んだ先に咲く花
「凛さんの肉じゃがは美味しかったですよね!あんな美味しいの初めてでした」
自分でも分かるくらい無理して話している
それでも有さんは優しく相づちを打ってくれる
「あ、ここです。家」
しばらくすると見慣れたアパートが見えた
「急げよ」
「わかってますよー」
少し笑い返して二階の部屋へ向かった
ガチャッ
部屋に入ると1日ぶりの懐かしさがあった
すると、さっきの出来事がまた頭に浮かんでくる
嫌になってテーブルを見るとそこには昔2人で撮ったお兄ちゃんとの写真がある
急いで写真立てを伏せた
「急がなきゃ」
服や下着、制服や教科書もカバンに詰めて家を出た
「お待たせしましたー」
車に戻ると有さんが誰かと電話を終えたところだった
「すみません…」
「ん?凛さんが早く帰ってこいだとよ。急ぐぞ」
有さんは早く帰って来いと凛さんに怒られたらしい
ちょっと拗ねてる有さんも可愛い