微笑んだ先に咲く花
凛さんの命令で急いで帰って玄関に入ろうとすると、
「何かあったら俺んとこにこい
相談くらいなら聞いてやるよ」
有さんが後ろから私に小さく言った
その言い方が子供っぽくて少し笑っていると
何笑ってんだよと後ろから軽く叩かれた
ガチャッ
「有さん痛いじゃないですか…」
「慎」
「…お兄ちゃん」
有さんとじゃれながら家に入ると目の前にはお兄ちゃんがいた
「こんな時間に何してた」
いつも優しいお兄ちゃんの顔は朝見たものと同じで、声も怒っていた
「空さん…今日は帰らないって…」
有さんも驚いているみたいで…
「んなこといいだろ
何してたって聞いてんだよ!」
お兄ちゃんが叫んで有さんの胸ぐらを掴んだ