微笑んだ先に咲く花
「ちょ!お兄ちゃんっ!!」
「空!!有から手を離せ」
お兄ちゃんの手を離させようとしていると、廊下の奥から凛さんが来た
「凛さん…」
「調子乗るな空。お前は部屋に戻ってろ、有は風呂でも入っておいで。
さあ、慎ちゃんおいで」
その一言で3人はそれぞれの場所へ向かった
ガチャッ
「慎ちゃん、入って?」
「失礼します…」
案内されて入った部屋は落ち着いていて凛さんっぽかった
ベッドに座った凛さんが隣をトントンと叩いたので隣に座った
「慎ちゃん、私の言いたいことわかる?」
「…いいえ」
自分のスカートを強く握った私の手を凛さんが上からそっと包んだ
「ごめんね、有から聞いたの。
さっきあったことも、慎ちゃんの昔のことも。」
さっき電話してたのはそれだったんだ
「慎ちゃん、大丈夫よ?
私は慎ちゃんの味方だから。
苦しかったのよね?よく頑張りました」
子供に言うような声に心が動いた
ずっと悲しかった、苦しかった
誰かに傍にいて欲しかった
「…ただ、苦しかっただけなんです
1人でいるのが」