微笑んだ先に咲く花
泣かないようにって思ってたのに一滴の涙が落ちた
それでも笑顔だけはなくさないように
「迎えにって、誰が…
次もし慎に会えたら絶対に離さないって決めてたんだ
だから…そんなこと言うなよ
絶対守り抜く絶対離さない」
そう言ってお兄ちゃんは私を抱きしめる
私はその胸を押し返した
そしてお兄ちゃんの目を見る
「お兄ちゃん…ごめんね。
…私お兄ちゃんのことお兄ちゃんなんて思ったことないんだ」
お兄ちゃんの目が不安で揺れた
「お兄ちゃんって呼んでるけど…
本当は空って呼びたかった
空が私の隣にいてくれたら嬉しいなんてこと考えてさ
片想い7年
それに、私とお兄ちゃんじゃつりあわない」
しっかり笑えてるだろうか…
「愛してる、慎
俺だって慎を妹みたいなんて思ったことない
昨日俺の部下に殴られて気絶させられてる慎を見たら…俺部下を思いっきり殴ってた
大切な部下なのに…慎を守りたかった
慎じゃなきゃダメなんだよ」
「お兄ちゃん…」
「慎ちゃんは間違ってるのよ?空が好きなのは、過去も今も未来も全部含めた慎ちゃんなの。
0からまた空を含めたこれからを作ればいいだけでしょ?」
凛さんの落ち着いたその言葉は今までの心の壁を一気に崩した
「…お兄ちゃん…好きなの…大好き…で…誰よりも…あいしてる…」
気づいたら久しぶりに目から涙が止まらなくなっていた