微笑んだ先に咲く花
「有さん…この前会ったときは印象悪かったですけど、今日の有さん優しかったです」
バッ!と顔をあげたお兄ちゃんと目が合った
「そうなんだよ!有は本当に優しくていい子なんだ。
…空もなんか言いなさいよ」
お兄ちゃんはすごく悲しそうで
「お兄ちゃん…」
「空って呼んで欲しい
ずっと…空って呼んで欲しかった
さっきのキスは不可抗力であって…
好きなのは慎だけだから
有にだって渡さない
今までの空白の時間を埋めたい
後悔なんてさせない」
突然なストレートの告白に顔が紅くなるのを感じた
「うん…私も好き大好き」
お兄ちゃんが痛いくらいに抱きしめてきた
「…慎…」
「お兄ちゃん…?」
「俺さ…」
「いちゃつくなら出ていきなさい」