微笑んだ先に咲く花
私たちは凛さんの部屋から追い出された
「…どうしようか」
「とりあえず俺の部屋に…な」
ガチャ
「慎…」
「どうしたの?」
ギュッと抱きしめられた
「ずっとこうしたかった
好きなんて慎に言っちゃいけない気がしてたんだ
もう…好きすぎてどうしたらいいかわかんねぇ。離したくない…」
消え入りそうなその声に応えるように腕をお兄ちゃんの背中へまわした
「じゃあ…もう絶対離さないで」
「わかってる…」
「でもキスしてたのは間違いないんだから、私のバイトは許してね?」
「…っ…お兄ちゃん」
私を抱きしめる力が強くなった
「…ダメ」
「バイトしたいの…」
「ヤダもう離さない
バイトなんてしなくていい。ずっと隣にいて」
「お兄ちゃんって甘えたさんだね?」
「なんでもいい。とりあえずダメ
お願い
あと、空って呼んで」