微笑んだ先に咲く花
交際
「じゃあ、いってくるからね
…離してくれないと行けないでしょ?」
今私は学校に行こうと玄関で靴を履いてお見送りに来ている空に振り返った
右手は空に掴まれている
「まだ行かないでいい…」
昨日の夜は同じベッドで寝た
朝、先に起きて空を起こそうとすると
バッ!と手を掴まれた
「…!!起きてたの?おはよ」
それでも空は何も言わない
「寝ぼけてるの?」
「…慎」
朝の少し掠れる低い声がよりかっこよさを増していた
「空…?」
「慎…学校行かないで…」
「…え?空?」
「寂しい…」
それから空は全然手を離してくれなくて…玄関についた今でもこの状態
この手を振り払って走ってもいいけど、空が悲しむのはわかるからできない
「行かなきゃ」