微笑んだ先に咲く花
「…じゃあ私かっこいいの選ぶね」
「慎が好きな服選んでくれるならそれでいい。慎のタイプも知りたいからな」
下を向いて紅い顔を隠した
「慎、ほら、手」
下を向いている私の前に空の手が差し出された
少し戸惑っていると
無理矢理私の手を繋いで歩き出した
歩いてる間もずっとドキドキして、このまま空に伝わっちゃうんじゃないかと思った
「慎、ここで選んで?」
そう言われて店を見ると大人な感じの落ち着いた雰囲気だった
あちこちに似合いそうな服がある
「…かっこいいね」
「いらっしゃいませ」
中に入るとなんとも爽やかなイケメン店員さんがきた
「何かお探しですか?」
爽やかさんは私の目線に合わせて尋ねてくる
「えっと…」
困って空を見上げると爽やかさんを睨みつけていた
「…どうした?慎」
その雰囲気に耐えられなくて繋いでいた手を少し握った
「ん…私が服選ぶので、困ったことがあったら声掛けてもいいですか?」