微笑んだ先に咲く花
そう言ってすぐ近くにあった試着室へ入っていった
少しホッとしていると
「大丈夫でしたか?ケガとかは…」
店員さんが私の顔を覗いてきた
「あ…大丈夫…です、」
慌てて距離をとる私を見て店員さんは爽やかに微笑んだ
「彼氏さんに似合いそうなジャケットがありますよ?」
ほら、と出されたジャケットは確かに空に似合いそう
「…ほら、もっとよく見てくださいよ」
ジャケットに見とれていた私は知らない間に店員さんに後ろから腕を回されていた
…正確に言えば、ジャケットを私の体に当てていた
「や、あの…」
首のところに店員さんの息が当たる
くすぐったい…
「ほら…彼氏さんに似合うと思いませんか?」
よく鏡で見ると確かに空に似合ってる
「本当だ… 似合ってるかも…」