微笑んだ先に咲く花
「…嫌です」
手に力が入った
「優子、悪いけど…ンッ!!」
その瞬間、俺は優子にキスされた
一瞬何をされたのか分からなかった
なんだ…この繁華街のど真ん中で俺…キスされてんのか?
誰に?慎に?いや、優子に
バッ!!
「てめぇ…何してんだよ!!」
突き放したら優子は少し辛そうな顔をした
「何してくれてんだよ優…」
優子から目を逸らした先にいたのは
車に乗る慎だった
しかも目が合った…
慎に見られたかもしれない
そんな心配よりも先に
なんで…有と一緒にいるんだよ
あの車は間違いない。有のだ
どうして有とこんな時間に走ってるんだよ
イライラした
俺の慎だ。有なんかに渡したくない
「…空さん」
そう俺を呼ぶ優子の声すらにも無駄にイライラした
「行かないで!」
歩き出す俺の袖を掴む
「うるさい…!!もうこれ以上お前といる義理はない」
そう吐き捨てて家に帰った
もちろん慎と有は帰ってなんていなかった
少しの時間だったかもしれない
でもすごく長く感じた
しばらくして2人が帰ってきた
慎と話そうと玄関で待っていたが入ってきた2人はまるで恋人のようにイチャイチャしていた
むかつく…
その後のことはあまり覚えていない
有に何をしたのか、
慎が何か必死に言っていた
でも気づいたら凛さんの部屋にいた
そこで思ったんだ
俺は本気で怒ると記憶がなくなるらしい
でも気づいた時に
キスのことを慎が知っていたと言った
見られていたのか
疑惑が確信に変わった
幻滅されたかもしれない
必死に言い訳をした
言いあいになった勢いでお互いの本当の気持ちがわかった
慎は俺のことが好きらしい
男として
やばいな。ニヤケが止まらない
俺だって好きすぎる