微笑んだ先に咲く花
何も考えてないのに足が勝手に動いた
お兄ちゃん…
そんなわけないのに
空は今私の恋人で、家にいるはず
じゃあなんで昔の空がここに…
あの時は手を伸ばしても捕まえられなかったその手を今必死に掴んだ
「…ッおにぃちゃん!!」
今度は…ちゃんと掴めた
顔を見ると、とても驚いてて
「…何!?あ…君」
何かを思い出すような素振りをした
あ…この人…
「有さんの…友達?」
有さんと初めて会ったとき、私に手を差しのべてくれた人だ
空にすごく似てる
「あー!!あの時の…聞いてるよ」
そう言ってニコリと笑う
顔は似てるけど、笑い方は全然違うんだ
「…はなし?」
「そうそう!君さ、あに「明くん!!」」
私たちの会話を遮って女の人が入ってきた
その人の顔を見てすぐに掴んでいた手を離して顔を伏せた
空とキスしてた人だ
「んな急がなくてもいいだろ」
「だって…この子誰?」
2人の視線がこちらに向いているのを感じた