Cherry
絶対に髪の毛だけは無くしたくない!
……どうしよう……
なんとか、しないと
…私は気づいたら点滴の針を抜いていた
針を抜くなんてすごく悪いこと
そんなことはわかっている……
悠斗にこれだけは
絶対やったらだめって言われて
いたのに……髪の毛を無くしたくない
という思いから頭で考える前に体が
動いてしまった
悠斗に今までにないくらい怒られるし
無理矢理でも治療されてしまう
鬼や悪魔より怖い顔をした悠斗が頭に
浮かんで恐怖で汗が止まらない
全部自業自得だってわかっているけど
なんとか助からないと……
脱走しよう!!
悠斗の急患の対応中だから今なら大丈夫
脱走したら大変なことになるけど
もう仕方ない
そう思って、回りを確認して
エレベータで下まで降りて
病院の敷地からも出た