Cherry


「俺、美優が病院を抜け出した理由だって
知っている。

髪の毛が抜けて辛かったんだよな

だったら俺に相談しろよ
そんなに俺頼りないか?
俺じゃ、美優のこと守れないのか?」


首を横に振って否定する


「違うっ!!
でも、髪の毛が抜けるんだよ
悠斗はそんな私でも嫌いにならないの?」


わがままで言うことも聞かなくて
見た目まで酷い姿になるんだよ



「そんなことで嫌いになるわけないだろ
美優は俺にとって大切な存在なんだよ

俺は美優の病院が治って俺の側で
笑ってくれるだけで幸せだから

見た目がどうなっても関係ないだろ 
治療が終ってしばらくすれば
もとに戻るんだから

それに美優は髪の毛の量だって多いから 
そんなに心配しなくても大丈夫だよ」


抱っこされたまま甘いキスをされる



あんなことしたのに私のことを受け入れてくれるなんて…



…嬉しい気持ちと本当に悪いことしたって思う気持ちが混ざりあって小さい子どもが泣くように大きな声でワンワン泣いてしまった



「……悠斗っ
……ごめんね 大好きだよ」


「……俺もだ」


しばらく温かい体温に包まれた



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