Cherry
病室に入っても涙が止まらなくて抱っこされたまま悠斗の体に顔をうめて泣いている
治療の副作用のことを考えるだけで
怖くて仕方がない
この前、入院したときのことを思い出す
だけで寒気がしてくる
「治療怖いと思うけど、もう泣かないよ
俺もできるだけ美優のそばにいるから」
「…悠斗 私ばっかりこんな思いしないと
いけないの…? 治っても再発して、
私が何か悪いことしたからなの?」
「美優は何も悪いことなんかしてない
だから病気だって絶対治るから
というか俺が治すに決まっているだろ
だから美優も頑張って治療受けよう」
「ウッ ヒクッ 悠斗 ちりょう……がんばる」
「よく言ってくれたな
えらいよ。ギュウー」
抱きしめられて少し苦しいけど、嬉しい
「じゃあ、今日はゆっくりしていな。
もうすぐ鈴木さんが夕飯もってきて
くれるから」
「…うん」
「また後でくるからな」
そう言って悠斗は出ていった