夏休み
「行ってきまーす」
鞄を背負って家を出ると。
家の外に立っていた珍しい人物に足が止まった。
「……何で…?」
「……よお」
「よお、じゃないよ。
どうしたの?」
「…聞きてぇことがあってさ」
夏休みに海にでも行ったのか、
幼馴染の体や顔は少し黒くなっていた。
確かコイツは帰宅部のはずだから、試合とかではないと思う。
きっとプライベートで海とか行っていたんだろうなぁ。
「……お前、あの時誰に泣かされたわけ?」
「へ?」
「…あ…いや…その……」
いつもあたしを馬鹿にしてくるコイツが
何だかうろたえている。
あたしは笑って助言してあげた。