夏休み
「どうして
そんなこと言うの?」
声が震える。
暑いはずなのに震えが止まらない。
「……夏休みが終わるから」
彼は視線を落とし、哀しげに呟く。
「…最初に言ったはずだよね?
夏休みが終わったら僕らはお別れだって」
「そんなっ……!」
「…キミといた夏は楽しかったよ」
視線をあたしと合わせて微笑む彼だけど。
今にも泣きそうなその瞳に
あたしは耐えきれない。
「どうしてっ?
どうしてお別れしないといけないの?
あたしはずっとキミのことが好きだったんだよ?
それなのに…酷いよ…。
あたしの傍にいてよ。
夏が終わっても傍にいてよ」
あたしが泣きながら言っても
彼は哀しげに笑うだけで、何も言わなかった。