人間に恋した化け猫


泣き出した鈴音を慰めようと、

僕は、鈴音の背中に腕をまわした。

そして、「大丈夫だよ‥‥。」

そう、言うつもりだった。

しかし、僕が実際に発したのは、


「ニャー」


という、僕本来の猫の鳴き声に変わっていた。


蓮斗の姿も徐々になくなってきている。

僕は、

現れた耳を隠すために手で抑えて蹲った。


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