お隣さんのキケンな誘惑
合コン




あれから久藤さんとは一週間程、顔を合わせなくてホッとしていた。


今日も朝から仕事をして、お客さんに満足してもらえた。
落ち着いてコーヒーを飲んでると同じサロンで働くみどりちゃんが話しかけてきた。


「芽衣さん!お願いがあるんですけど!」


「何?」


「今日、合コンがあって人数が足りなくて一緒に来てくれませんか?」


「えー私、パス!」


「そこを何とか!お金は相手が払ってくれるし私も今回の合コンにかけてるんです!
ねっ!芽衣さんお願いしますよぉ。」


みどりちゃんの押しに負けた私は仕方なく行くことに決めた。


合コンなんて良い思い出がない。


上辺だけ優しくて、私が好きになったら遊びだっただの、浮気されたりといい思い出がない。
だから合コンは嫌いだ!


もう過去みたいに騙されないんだから。


私は午後からも仕事を頑張り、仕事が終わるとみどりちゃんはメイクをバッチリし直して、私を拉致して合コンへと連れて行った。


みどりちゃんは嬉しいのかニコニコして私に腕を絡ませて歩く。


合コンが行われたのはいたって普通な居酒屋だった。


まぁお金は払わなくていいし飲むで食べてさっさと帰ろう。


そう思っていた。


みどりちゃんの友達二人も合流して席に座り、遅れて男性陣が入ってきた。


男性陣が順番に座り、私は前を見ると驚いた。


私の目の前には昔、私をセフレだと言った彼がいたからだ。


そして彼と目が合うと彼も一瞬、目を見開いたがニコッと私に微笑んだ。
私はその笑顔に悪寒がした…。


一人ずつ自己紹介をして皆で乾杯をした。


私はなるべく誰とも話さないように食べ物をお皿に取って食べていた。


隣に座るみどりちゃんは何だか楽しそうに話が盛り上がっている。


「久しぶりだな芽衣!」


そう言って自分の席を移動して私の隣に来ていたのは元カレの健だった。
まぁ元カレと言うよりセフレだったらしいけど私は付き合ってるつもりだったから一応は元カレだ。


私はシカトしてお酒を飲んだ。


「芽衣って冷たいな?あんなに愛しあった仲なのに酷え!」


その言葉にイラッとした私は健を睨んだ。


「酷いのはあんたでしょ?
私はあの頃は好きだったし彼氏だと思ってたけど、あんたは私をただのセフレとしか思ってなかったんでしょ?」


「あの頃は若かったし、遊びたい年頃だったんだよ!
だけど今は遊びたいって思わないしちゃんと彼女を作りたいからこうして合コンに参加したんだしな。
芽衣が居なくなってバカだったって思ったし、あれから女遊びはやめたんだけど芽衣をずっと忘れられなかったんだ。
こうして芽衣にまた会えるなんてまじ運命じゃね?」


そう言ってなれなれしく私の肩を抱いた。






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