お隣さんのキケンな誘惑
飯炊き女
あの合コンから二週間が経った。
今日は仕事が休みで久しぶりにゆっくり家で過ごしていた。
昨日には食材も一週間分を大量に買ったし、今日はゴロゴロするんだと決めていた。
食材を一週間分を"大量"に買ったのは理由があった。
それは先週の事だった。
久藤さんは仕事が終わって帰ってきたのか、私の家のインターフォンを鳴らし、私が玄関を開けると久藤さんが立っていて「腹減った…」といきなり言ってきた。
私は久藤さんの飯炊き女じゃねぇよ!なんて思い無言で扉をしめようとするとそれを阻止しする。
「俺さ、忙しくてご飯食べてないんだ。
帰りにコンビニに寄るのも忘れたし、家にはなんにもないし…あー俺はこのまま飢えて死ぬかもしれない。
メーは俺を餓死させるんだ…」
なんて言われ…「今日だけですよ!」と言うと「メーは優しいな」なんて行って勝手に家の中に入ってきた。
だけど何か流されてるような気がした。
私の目の前で美味しそうにご飯を食べる工藤さんに冗談で嫌味を言った。
「久藤さんって厚かましいですよね?
食費くらい払ってくれるんなら作ってあげてもいいですけどね!」
そう冗談で言ったつもりだった。
だけど冗談で言ったのが間違いだったかもしれない。
すると久藤さんは財布の中から三万円を私に手渡した。
「これで文句ないだろ?どうせ自炊なんて俺はしないし、俺は夕食はコンビニばっかりだし今日みたいにコンビニに寄るのも忘れちゃう事もあるから食費を払って夕食を作ってくれるなら助かる!」
「冗談に決まってるでしょ!」
「俺…本当だと思ったのに騙されたのかよ。
メーの言葉を信じたのに…」
悲しげな顔をして久藤さんは言った。
何かそんな顔をされたら言い返せなくて…
「分かったわよ!作ればいんでしょ!」
「本当に?さすがメーだな!
この際、俺の嫁になる?」
「はぁぁぁっ!?ならないし!」
「メーったら怖い!」
「あんたのせいだろ!」
と言うわけで、何故か久藤さんの夕食までも作るはめになったんだ。