お隣さんのキケンな誘惑
それから伊崎主任と飲みに行ったりしていて五回目に飲みに行った日の事だった。
「黒崎さんに話があるんだ…
俺と付き合ってくれない?」
「えっ…」
「ダメかな?」
「ダメなんかじゃないですっ!
宜しくおねがいします。」
「宜しくね、芽衣!」
この日から私達は付き合うようになった。
だけど伊崎主任は会社の人には秘密にしておいて欲しいと言われた。
人にからかわれたりするのが嫌いらしい。
それに会社では今まで通りの接し方をしていた。
伊崎主任の両親が自営業をやっていて、週末は会えないけど平日は会えるからと言うことで、私のマンションに仕事が終ると来るようになった。
それでも私は一緒に居られる時間が幸せで、週末に会えなかったり、外にデートに行けなくても会えるだけでもよかったんだ。
喧嘩もなく、伊崎主任は優しくて抱かれた時は私だけを愛してくれてるんだって感じた。
月日は経ち、私が伊崎主任と付き合って三年が過ぎた時の事だった。
私は会社で耳を疑う言葉を聞いてしまった。
用事があって営業部に行く途中、喫煙室から声が聞こえた。
「もうすぐ奥さん子供が生まれるんだろ?」
「はい!待望の女の子です!」
「伊崎の所は上二人は男の子だもんな!
女の子は可愛いぞ?」
そんな会話が聞こえて私は堪らずトイレに駆け込んだ。
伊崎主任が結婚?
ウソでしょ…だって彼女は私なのに奥さんが居るってどう言う事なの…。
悲しみやショックと言うよりも信じられない気持ちでいっぱいだった。