お隣さんのキケンな誘惑
「どうぞ!」
「サンキュー!今のホラーもまあまあ怖かったな?てかよく一人で見ようと思ったな!」
「私はホラーも恋愛もコメディもアクションも何でも見るので嫌いじゃないんですよ!
勿論、怖いと思いますけどね?
だけど今見たホラーはどこか悲しくて、殺された女の人の気持ちもわかる気がしました。」
「確かに彼女には婚約者が居て、結婚する筈だったのに、友人だと思っていた相手に殺されちまうんだからな。
それに婚約者と殺した男は親友だったんだからな…好きだけど言えなくて、仲良さ気な二人を見るのが憎くて仕方なかったって言ってたし、恋愛ってのも違った方向に向かっちまうと殺人をも起こしてしまうんだからな。」
「ですね…まぁ私はそんなに愛された事もないですし、恨んだ事のが多いですけどね…
アハハハ…」
何だか自分で言って悲しくなってしまった。
「まぁ今までがそうだとしても、ちゃんと幸せだと思える相手に出会えるさ!」
「ありがとうございます…」
てか何か慰められてない私…
少し沈黙が続いたと思ったら久藤さんは急に青ざめた顔をして言った。
「なぁ…何か今、女の人の声が聞こえなかったか?」
「えっ…聞こえてませんよ?」
私がそう言うと久藤さんは私の後ろを見て叫んだ。
「うわぁ!!」
私はビックリして思わず「キャー」と言って久藤さんに抱きついてしまった。