お隣さんのキケンな誘惑
私は佐藤さんにマンションまでタクシーで送ってもらい、着くとお金を佐藤さんに渡した。
だけど受け取ってくれなかった。
「ここは俺が出すから!」
「いえ、困ります!せめてここまでのお金だけでも受け取って下さい!」
「ダメです!俺は芽衣さんを送ると先輩に約束したし、俺も男なんで奢らせて下さい!」
「でも…」
「ここは俺に払わせて下さい!」
「わかった…ありがとう!」
「あの!良かったら連絡先を教えてくれませんか?また今日は楽しかったし良かったら食事でも…あっ、迷惑ですよね。」
タクシーの運転手さんも待ってたし、何だか悪い人ではなさそうだったから連絡先くらいはいいかなと思い交換してお礼を言って佐藤さんはそのままタクシーに乗って帰って行った。
私もマンションの中に入ろうとした時だった。
「へぇー、今日は飲みに行くって言ってたけど男も居たんだ?
何だかいい雰囲気だったみたいだけど?」
ニヤニヤしながら久藤さんは言った。
「そ、そんなんじゃありませんから!
たまたま飲みに行ったら友達の彼氏がたまたま後輩と会ったみたいで居酒屋に一緒に来ていて、送っていくと言われたから送ってもらっただけです!」
「送って貰っただけで連絡先交換しちゃうんだ?」
「いい人そうだったし、話も面白くて悪い人じゃなかったから連絡先ぐらいならいいかなって思って交換しただけです。」
「ふぅーん…てか中に入ろうぜ!」
そう言って久藤さんはマンションの中に入っていき、私も後を追うようにマンションの中に入った。
久藤さんとは隣だから部屋に帰るまでは一緒だったが、お互いに会話はしなかった。