お隣さんのキケンな誘惑



騙されていたとはいえ、佐藤さんにもドキドキしたけど、久藤さんは冗談も言いつつ凄く優しいからドキドキしてるだけなんだろうか?


「俺はメーの過去も知ってるし、メーが傷つけられるのは許せないんだ。
それに俺はメーが好きだから何かあったらお前を一番に助けてやるよ!
だからもう落ち込むなよ?」


「う、うん…」


ヤバイ…どうしよう!
今、私の頭の中でゴングの鐘が鳴り響いている。
久藤さんが言った発言は私にかなりの衝撃を与えノックアウト状態だ。


凄く私の事を思ってくれていて、意地悪だけど本当は優しくて、そんな久藤さんにどうやら私の心は奪われてしまったみたいです。


佐藤さんを好きになりかけていた事を忘れるくらい、久藤さんの言葉が私の頭の中を占領している。


「メー?どうしたんだ?」


「な、何でもないよ…」


久藤さんに言われた言葉で頭がいっぱいになってたなんて口が避けても言えない。
それにもしかするとさっきの言葉が嬉しくて一時的に久藤さんを好きだってなってるだけかもしれないし、嬉しすぎて舞い上がってるだけかもしれないから…。


その後、久藤さんの部屋から自分の部屋に戻るとお風呂に入った。


しかし今日は色々あったな…。


あんなに楽しかったデートは佐藤さんが良い人に見せるための物だったなんてまだ信じられない。
人って裏では何を考えてるのかさっぱりわからない。
やっぱり昔からそうだけど私って騙されてやすいのかな?


久藤さんから話を聞いて、佐藤さんに怒鳴ってる顔は物凄く迫力があって怖かったけど、それだけ私の事を想ってくれてたんだよね?


久藤さんは私の事をどう思ってるんだろ…


"俺はメーが好きだから何かあったらお前を一番に助けてやるよ!"


そう言った久藤さんの言葉が何度も頭に浮かび、それだけで胸がキュンとなる。


やっぱ私、久藤さんに惚れてしまったようだ。




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